次の設問に答えよ(センター試験 改)。
問1 上の図のAとBは夏季または冬季の風向を、CとDは夏季または冬季の降水量を示したものである。夏季の風向と降水量を示したものを答えよ。
問2 上の表は、東南アジアのいくつかの国における都市人口率、1人当たりGNIを示したものである。1〜4はインドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアのいずれかである。1〜4に該当する国名を答えよ。
問3 東南アジアには、古くからさまざまな文化や技術が流入したが、大航海時代以降になると、周辺の地域からだけでなく、欧米からも流入した。このことについて述べた文として最も適当なものを、次の@〜Cのうちから一つ選べ。
@ ラオスでは、かつてフランスから大型帆船が訪れたのを契機として、盛んに外洋帆船が建造されるようになった。
A マレーシアでは、欧米諸国の食文化の影響を受けて、パンをつくるために乾季には小麦を栽培するところが多い。
B ミャンマーでは、イギリスから紡織機が導入され、インド産の綿花を原料とする綿布が主な輸出産品になっている。
C フィリピンでは、スペインの植民地時代に伝えられたカトリックを現在も信仰する人びとが最も多い。
答え
問1 B・D
問2 1 マレーシア 2 タイ 3 インドネシア 4 フィリピン
問3 C
解説
問1
東南アジアから南アジアにかけては、夏には南西モンスーンが、冬には北東モンスーンが卓越する。夏のモンスーンは海洋から吹くため、降雨をもたらす。
問2
GNIの高さから1をマレーシアと判断する。ルックイースト政策という日本や韓国にみならった経済・工業発展政策がすすめられた。
2はタイである。東南アジア諸国の中ではGNIが高い。稲作を中心に第一次産業人口率が高いため、都市人口率は低い。
3は都市人口率の高さからインドネシアと判断する。ジャワ島の人口集中が目立ち、トランスミグラシがすすめられている。
問3
@は不適。ラオスはフランスの植民地であったが、内陸国であり、「外洋帆船が訪れる」ことはない。
Aは不適。マレーシアはイギリスの植民地であったが、国土のほぼ全域が熱帯雨林(Af)気候で、乾季は存在しない。さらに、熱帯では小麦はほとんど栽培されない。
Bは不適。ミャンマーはイギリスの植民地であったが、米や木材などの一次産品がおもな輸出品。
Cは適当。フィリピンは16世紀にスペインの植民地になった。スペインの植民活動とともにカトリックが布教された。なお、フィリピンは19世紀末にアメリカ合衆国の植民地となった影響で、英語が公用語の一つとなっている。
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