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特集 長江文明
−黄河文明とはまったくことなる中国文明が存在−
2000年に中国の長江上流の四川省成都で墓跡から約2500年前の古代独立国家、蜀の王族らが埋葬されたとみられる巨大な舟形木棺群が出土しました。その結果、黄河文明とは異なる「長江文明」が、中国の異民族により独自に形成されていた可能性が強くなりました。
長江流域では近年、黄河文明とは異なる古代文明の存在を示唆する遺跡が次々とみつかっています。下流の浙江省の河姆渡(かぼと)遺跡では約7千年前の稲作文化跡が発掘され、上流の成都付近では三星堆遺跡が発見されました。約4800〜3000年前の三星堆遺跡からは、目玉が飛び出た仮面や金箔を張った異形の人頭像など独特のデザインの青銅製品が出土し、独自文化を誇る「国家」の存在が浮かび上がってきました。
2000年の発掘について、「古代の少数民族であった巴蜀(四川省の古称)の墓としては過去最大。舟形木棺を並べ上部に建築物を建てるのは巴蜀独特の喪葬方法で、中国中央部の中原(黄河流域)の国家と全く違う世界観を示している」との指摘や、「大量の舟形木棺群による埋葬の習慣は戦国時代から漢代初期にかけて四川省のほか、広西チワン族自治区、福建省などにもあった。これら長江流域から南方の諸民族が形成したと(文献に)伝えられる百越文化が長江文明の実態だろう。」との意見が日本の研究者によってなされています。