わたしたちは、言葉によって考え、その考え方を伝い合ってきた。原始的な通信形態は、言葉や器具の音などや、狼煙(のろし)・旗などに頼る近距離のものであった。さまざまな考え・情報は、文字の発明によって記録・伝達され、人類文明を革命的に発展させた。さらに、印刷技術が発明・発達したことにより、書籍・雑誌・新聞が普及すると、書籍・雑誌・新聞は情報を記録保存し、広く知らせる力となった。
今日の通信情報産業は、めざましい技術革新により、世界の諸地域に展開する諸事象を居ながらにして、見聞できるまでになった。情報はたちまち世界をかけめぐり、その内容を取捨選択する情報管理はむずかしくなってきた。
情報伝達手段としての文字
文字は、郵便制度の発達によって、国際的に情報を送る手段となった。しかし郵便は、到達に時間がかかる難点もあった。また、文字は、書籍にも用いられるから、単に情報伝達のためだけではなく情報を保存する手段でもあった。
新聞が始まったのは古いが、とくに産業革命後の工業発達とともに普及し、企業の広告活動にも組み込まれて産業を支えた。とくに、報道機関の新聞はマスメディアと呼ばれ、社会に大きな影響力を持っている。新聞社も、全国紙は大都市に、地方紙は地方中核都市におかれ、各階層の都市のオピニオンリーダーとされる。世界的にも、アメリカ合衆国やイギリスの英字紙、フランス・中国などの新聞は、しばしば世界の各地に頒布(はんぷ)されて、情報の伝達に時間はかかるが、かえってそのことによって情報の分析や考え方など、論調がよく現れるので、それぞれの国家の立場を理解するうえで貴重な存在である。
情報通信技術に関わる大学入試問題例
1 光( )ケーブルの利用により大量の情報を送受信できるので、コンピュータ通信の発展に役立つ。 海底 (注 大西洋・太平洋を何本もの海底ケーブルが横断している。ほかに静止通信衛星も利用される)
2 大陸間の海底ケーブル網の敷設密度は、(1)半球の方が、(2)半球より高い。 1北 2南
3 大陸を越えた高速の情報伝達を可能とする手段のうち、海洋を経由するものは(1)、宇宙を経由するものは(2)である。 1海底ケーブル 2通信衛星
4 ( )通信などの技術によりブロードバンドの通信が可能となり、動画も配信できるようになった。 光
5 地球の自転とは無関係に地球上空を周回するのが(1)衛星、地球のまわりを自転と同じスピードで回るのか(2)衛星である。後者は赤道上空の高度約(3)kmの軌道上にあり、およそ秒速3kmで飛行している。 1移動 2静止 3 36,000
6 ( )放送では、地上波の届きづらい山間部や離島などにも電波を届けることができる。 衛星
7 地上波では多くの中継局が必要なのに対し、( )は1つの衛星でほぼ日本全国をカバーする。 衛星放送
8 ( )では、通常のテレビ放送のほかに文字放送やハイビジョン放送などが行われている。 衛星放送
9 1957年、世界最初の人工衛星( )1号が旧ソ連により打ち上げられた。 スプートニク
10 アメリカ合衆国の科学衛星「( )」は、1972年に1号が打ち上げられ、これが世界最初の本格的な地球観測衛星となった。 ランドサット
11 通信衛星を活用する目的で1964年に発足した機関は( )(国際電気通信衛星機構)ある。 インテルサット (注 現在は事業部門の民間企業インテルサットと、監督機関ITSOに再編)
12 日本における衛星放送には、放送衛星を利用する(1)放送と、通信衛星を利用する(2)放送がある。 1BS 2CS
13 ( )の当初の目的は、企業間の通信を含めたデータ全般の通信であった。 通信衛星
14 アメリカ合衆国の国家航空宇宙局の英字略称は( )である。 NASA
15 かつての国際海事衛星機構の略称は( )(注 カタカナ名)である。 インマルサット (注 国際移動通信衛星機構(IMSO)に改称)
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