最終更新日2025年5月1日
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地理の知識へのお誘い
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地理の学習室



使われている統計には古いものもあります。新しい統計を調べてみてください。

出てくる地名でわからないものは、かならず地図帳などで確認してみてください。




平野の地形


平野
 平野は、その成因から侵食平野と堆積平野に分けられる。

侵食平野
 侵食平野はその成因によって構造平野や準平原などに分けられる。侵食平野で広い面積を占めるのは、地質構造上、古い陸塊がほとんど変動を受けずに、ほぼ水平な地層をたもち、ゆるい起伏の構造平野である。その規模は大きく、長い地質時代を通じて地盤の安定したところに発達している。東ヨーロッパ平原・北アメリカ中央平原・アマゾン低地などがその例である。準平原は地形輪廻の最終段階にあたり、山地が長いあいだに侵食されて、侵食にとり残された残丘を除き、ゆるやかな起伏の平原が広がる。

ケスタ
 ケスタは硬軟の互層をなす地層が緩傾斜をして地表にあらわれている地域で、地層の差別侵食により生じた、軟層が急崖、硬層が緩傾斜をなす非対称の丘陵である。パリ盆地やロンドン盆地がこの例である。

堆積平野
 堆積平野には沖積平野と海岸平野がある。ライン・ナイル・ガンジス・エーヤワンディー・チャオプラヤ・メコン・長江・黄河・ミシシッピ・ラプラタなどの下流に発達する大きな三角州は、沖積平野の代表的なものである。河川が山地から平野に出たところに発達する扇状地も、沖積平野に含まれる。
 大陸棚の一部、すなわち浅い海に堆積した地層が陸化して平野となったものは海岸平野と呼ばれ、ときには隆起して台地状を示すこともある。北アメリカの東部から南部にかけては、典型的な海岸平野が発達する。

平野の土地利用
 地球上の人口の約60%は、海抜200m以下の土地に居住している。沖積平野は、土壌が肥沃で水利・交通などの便に恵まれているので、農業開発が行われ、人口が集積して灌漑農業が営まれ、アジアのおもな米作地域はここに展開している。ナイル、チグリス・ユーフラテス、黄河などの流域にある古代文明の発祥地も、水に恵まれた沖積平野である。
 川が氾濫(はんらん)するたびに堆積した土砂は、河道にそってわずかな微高地(自然堤防)をつくり、そこに集落や畑ができる。しかし、低湿すぎる三角州の下流部は開発が進まない。その例は、ミシシッピ川やポー川にみられる。ライン川の河口部は干拓されてポルダーと呼ばれ、集約的な園芸農業が行われている。沖積平野は、一般に水の便がよく、水質もよい。また土地の隆起は、しばしば河川の下刻をもたらし、旧氾濫原が高い位置に残る。これを河岸段丘と呼び、たびたび隆起のあったところには数段の段丘がみられる。
 他方、構造平野は水の便が悪く、地下水の質にも恵まれないことが多いので、耕地はおもに畑や牧草地として利用され、耕作景観は気候や土壌の違いを反映している。構造平野のなかでも、ヨーロッパや北アメリカの北部のように、氷河の氷食作用を受けた地方には、氷河の運んだ砂礫が堆石(モレーン、氷河の端末や並行する氷河のあいだにできる)やエスカー(氷河のなかを流れていた河川水が砂礫を堆積した列丘)となって残り、そのあいだに湖沼をつくっている。このような土地は、やせて農耕に適さない。世界の平野のなかで、構造平野の占める割合は、沖積平野よりはるかに広い。


(センター試験 改)

 下の5万分の1地形図から読み取ることのできる地形として最も適当なものを、次の@〜Cのうちから一つ選べ。

@ 砂州  A リアス式海岸  B ラグーン(潟湖)  C 干潟

平野の地形


解答 C
解説
 地形図から大規模な三角州が形成されているのが読み取れるが、陸地の先端部には砂をまいたような部分(干潟)が見られるので、Cがあてはまる。


大学入試問題例
1 パリ盆地には、おもに石灰岩から構成される硬層と頁岩を主体とする軟層との互層が選択的に侵食され、階段状となった( )地形が広がっている。 ケスタ
2 パリ盆地などにみられる、地形の傾斜が非対称の丘陵を( )という。 ケスタ
3 パリ東方に位置する(1)地方では、(2)地形の斜面を利用したブドウ栽培が行われ、発泡ワイン(シャンパン)の代表的産地として知られている。 1シャンパーニュ 2ケスタ
4 硬層が平らに残ったテーブル状の地形を(1)といい、(1)がさらに侵食されて頂部が狭くなったものを(2)という。 1メサ 2ビュート
5 ナイル川の河口部は、( )状三角州である。 円弧
6 イタリアのテヴェレ川の河口部は、( )状三角州である。 カスプ
7 ミシシッピ川河口部では沿岸流が弱く、自然堤防が海側に伸びて( )状三角州ができた。 鳥趾



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