有史以来、5000年の人類の歩みを理解することは大変なことだとおもいます。
この大変な世界の歴史に、すこしでも興味をもってもらおうと、
ここでは、おもいつくままに、歴史的な事柄について紹介します。
古代ローマ人の服装
トーガ(ラテン語でおおうの意味)は,古代ローマ人の代表的な民族服だ。ただ初期においては単なる長方形の布であったようで,夜には寝具として毛布のかわりともなった。やがて,共和政末期頃からトーガが官服になると色調,縁飾り,まとい方などが職階によって厳格に定められた。トーガの下にはトゥニカ(テュニック)を着用した。
1世紀から2世紀にかけて,社会状態の変化に応じて,丈長のトーガは繁忙な生活にはわずらわしい存在となり,トーガは少数貴族の儀式服として残されるだけとなり,それにかわって普及したのが丈の短い外衣だった。
男性と女性の服装に差がつきはじめたのは共和政半ば頃からで,女性は堅苦しいトーガをぬぎすてて,より優美で形式も自由なパルラを好んで用いるようになった。これは,ギリシアのヒマティオンのような長方形の布で,常にトゥニカやストーラと併用して着用された。トゥニカは通常二枚を重ね,男性とほぼ同じですが丈が男性のものより長い。上着はストーラとよばれ,形はトゥニカとおなじものや,ギリシアのペプロスやキトンに似たものもあった。
庶民の生活は,衣食住にわたって貧しく,衣服といえば,働きやすいもので,しかも多くの場合,季節とは無関係な粗末なものだった。なお,奴隷の衣服は,粗末ながらも奴隷主によって支給された。裸足はギリシアと同様に奴隷の身分のしるしだったので,ローマ市民は屋内でも裸足でいることを嫌った。